2024年11月11日月曜日

知られざるリターフォールの博物誌(3) 絶滅危惧種のアリ

 “アリ”という昆虫は多くの人とって、身近な昆虫だと思います。

私にとっても、長らくアリはそういう存在でした。

子どもの頃、塀に沿って続いていく小さな赤いアリの行列を辿ったり、庭石をひっくりかえしては、慌てて卵や蛹を運び出す彼らの様子を覗き込むのが好きでした。
春の砂地でアリの巣を見つけたときは、さやから剥いたカラスノエンドウの実をたくさん穴に転がしこんでいたずらもしました。
また、結婚飛行を終えたばかりのお腹の大きな女王アリを捕まえたときは、しばらく飼って女王が卵や蛹の世話をしたり、子どもが増えていくのを毎日観察したことを覚えています。

これらはそれぞれ別の種だったと思いますが、あまりに身近だったためか、アリの種類を調べたことは、これまでほとんどありませんでした。同じ膜翅目(ハチ目)であるハチたちの生態や多様性に魅せられて、少しずつ科名や属名、種名を覚えるようになった一方で、アリの種類には無頓着だったのです。

けれども、リターの中の生きものを知ろうと決めたとき、アリをただのアリで片付ける態度を悔い改めなければいけないと思いました。それに、アリは私の好きなハチと同じ膜翅目。アリを知ることは、ハチを深めることに繋がるし、実際のところアリの生態自体もおもしろいに違いありません。

「宣誓!私は、アリをただのアリで片付けず、丁寧な観察を心がけることを誓います!」

心を入れ替え、確実とはいえないまでも特徴を掴もうとするようになってから、まだほんの3、4種類ですがリターの中のアリを見分けられるようになりました。今回はその中から、姿も生態も存在も珍しい、とっておきの変わり者アリをご紹介します。

そのアリを見たとき、ちょっと想像していなかった異様な姿に目が釘付けになりました。
背中によく目立つ大きなトゲを何本も生やしています。

胸部前方からやや下向きに生えるトゲが一対、胸部の中央部分から生えるトゲが一対、胸部の後方部分から後ろ向きに生えるトゲが一対、そして、胸部と腹部の間の腹柄節と呼ばれる部分からひときわ長く大きく、見事なカーブを描いて生えるトゲが一対。

これらのトゲを生やしている胸部と腹柄節は赤く、頭部と腹部は黒い漆塗りのような配色。
その姿はどことなく鎧に身を包んだ侍を思わせます。

“トゲアリ”、まさにそのものズバリ――。それが調べて分かったこのアリの名前でした。


(トゲアリの胸部の写真 上:横から 下:正面から)

さて、このトゲアリさん。姿かたちだけでなく、どうやら生態もユニークなようなのです。
彼らは、“一時的社会寄生”をする生きものなのだそうです。

昆虫学をきちんと学んでいない私には分からないことも多いのですが、膜翅目(ハチ目)の昆虫を探求しようとするとき、“寄生”や“社会性”という生活様式を理解することは、おそらくとても大切です。彼らの進化は、“寄生”や“社会性”の発達を理解することなくしては語れません。

では、トゲアリの “一時的社会寄生”とは、いったいどんなふうに行われるのでしょうか?

それは、トゲアリ女王が他種のアリの巣に侵入して、本来の女王を殺してしまうところから始まります。侵入当初から、その巣内の多数の他種アリと戦ってきたトゲアリ女王は、既に“その巣の匂い”なるものを手に入れており、“匂い”の仮面により他種の女王に成りすましてしまいます。

こうして乗っ取りに成功し、他種の働きアリたちに世話をしてもらいながら自分の子どもたちをどんどん増やしていくトゲアリ女王。女王がいない他種のアリは増えることができないので、最終的にその巣はトゲアリだけが生活する巣になります。

最初のうちは(一時的に)他種のアリの生活力に頼り(社会寄生)、最後は自立して生活を営むというのがトゲアリの戦略というわけです。なんてちゃっかり者なのでしょう!

しかし、トゲアリの女王が単独で他種のアリの巣に乗り込むのは非常にリスキーであるため、最初で失敗することが多いらしいです。うまくいけば熟練の働き手を一度に大勢手に入れることができますが、それは命がけでやらねばならない大仕事なのですね。

「トゲアリ女王の国盗り物語 ~暗殺と偽りの仮面に秘められた一族への愛~」

三流小説のタイトルみたいですが、“一時的社会寄生”をテーマに紙芝居が作れそうです。

今後、気になるのは三瓶のトゲアリの“一時的社会寄生”の対象となっている宿主アリが何かということです。生きているものの観察ではないので断定することはできませんが、対象となりそうなアリの候補に注意しながら、リターの分類をしていきたいと思っています。

最後に、トゲアリは、環境省のレッドリスト2020で絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。
環境省のホームページによると、絶滅危惧Ⅱ類とは“絶滅の危険が増大している種”だということ。

トゲアリが生息するためには、立派な広葉樹がある豊かな雑木林が必要です。
さらに“一時的社会寄生”という性質上、その生存を支える他種のアリの存在も安定したものでなければならないでしょう。
そう考えると、トゲアリの存在は、三瓶の森の豊かさの証と言えるのではないでしょうか。
アリたちが我々にとって身近なものであり続けられるよう願わずにはいられません。


※トゲアリが見つかったリタープロット 

2019.6.6 30-50、2019.6.20 30-50、2019.8.1 50-70


スタッフS

2024年10月18日金曜日

知られざるリターフォールの博物誌(2)  レースの翅(はね)を持つ虫

今回の主人公は、英語で“lace bug”(レースバグ)、と呼ばれる昆虫です。
和名では、“グンバイムシ”。
その名の由来は、戦国武将や相撲の行司が持っている“軍配”にかたちが似ていることから。
半翅目(カメムシ目)に属する彼らは、花木や果樹を吸汁する害虫です。
しかし、体長3、4㎜ととても小さいため、この虫を知らない人が圧倒的に多いことでしょう。
リターの中には彼らの痕跡が見られます。少しではありますが彼らの姿をご紹介したいと思います。

写真は6月のリターに入っていたグンバイムシの左右の前翅です。
顕微鏡を用いて、初めてこの翅を見たとき、なんてきれいなのだろうと思わず見とれてしまいました。多角形に区切られた小さな翅室(※)がモザイクタイルのように並び、薄い透明な膜が光を通してキラキラと輝いています。グンバイムシを調べる中で、“まるでステンドグラスのようだ”という記述をたくさん見かけました。私もまさにその通りだと思います。

どうでしょう?この翅をモチーフにピアスやイヤリングをデザインしてみるのは。
なかなか素敵なものができると思いませんか?
翅室ひとつひとつに透き通った色を入れます。何色もつかって彩り豊かにしてもよいし、同系色のグラデーションにしてもよいかもしれません。こんな想像(創造)をするときっと楽しいですよね。


翅の模様や演習林内で食樹になりそうな樹種を考え合わせて、トサカグンバイの翅ではないかと思っています。トサカグンバイはアセビを好んで吸汁するそうで、この樹種は三瓶演習林に多く自生していますから。けれど、同属(Stephanitis属)内にはとてもよく似た種がいるので、翅だけで断定はできません。

同じ6月の別地点のリターでは、別種のグンバイムシも見られました。
こちらの翅は英名のlace bugの名により近い雰囲気を持っているように感じます。背景が白いと分かりづらいので、黒くしてみると、白っぽいグンバイムシの姿が浮き上がってきました。
細かいギザギザの縁取りがある、レース編みで作られたかのような翅を纏っています。翅だけでなく、胸部から横に大きく張り出した翼状の部分も、まるでヨーロッパの貴族の肖像画で見かける大きなレースの襟のよう。なるほどね、呼び名に納得、lace bug(レースバグ)!!
グンバイムシは害虫くんの一面もありますが、和名の由来になった体のカタチにしても、英名の由来になった翅の模様にしても、ユニークさにおいては格別ではないでしょうか。


さて、この白っぽいグンバイムシは、おそらくアワダチソウグンバイではないかと思います。ほんの四半世紀ほど前に移入が確認された北米原産の外来種で、同じく北米原産の侵略的外来種であるセイタカアワダチソウを好んで吸汁するとのこと。一方で、一部の農作物にも吸汁被害を出すそうです。
この虫がいるということは演習林付近にもセイタカアワダチソウが生えているのでしょうか?
けれど、林縁や道脇、林内のギャップならともかく、リターの回収を行っているのは広葉樹二次林の中。いくら繁殖力旺盛なセイタカアワダチソウといえど適した環境ではありません。他のキク科植物にもつくそうなので、そちらからきたのかもしれませんが、いずれにしても寄主植物に心当たりがなく、どうして入っていたのかは分かりません。
ちょっと不安が残る発見ではありました。三瓶の自然環境への悪い兆候ではありませんように。


最後に、素人の拙い思いつきではありますが、研究材料としてのグンバイムシについて書きます。
先ず、グンバイムシの種類を調べる中で、かなり多くの種が寄主である植物の名を冠した種名であることが印象的でした。

(例・ツツジグンバイ、ナシグンバイ、プラタナスグンバイなど)

その理由は、どうやら彼らの寄主特異性が非常に高く、単食性や狭食性であるという性質からきているようでした。こういう生き物は、寄主植物の分布によって自らの分布(移動)をかなり制限されるはずです。
しかも、相当に小さい昆虫ですから、グンバイムシ自身の飛翔能力もそんなには高いとは思えません。
一方で風には運ばれやすいかもしれませんが…
移動を制限されると、離れた寄主植物上の同種との繁殖にも影響が出るでしょうから、寄種植物間の距離の違いによる近親交配の度合いとか調べたら面白いかもしれないなぁ、などと思いました。

グンバイムシは細かくて見つけるのが大変というのはありますが、その分、フィールドは狭くて良さそうなので体力勝負よりは観察が得意な学生さんには向く研究材料かもしれません。
森林や農作物や昆虫分野の学生さん、誰か卒論や修論でやらないかなぁ…。
もちろん素人のつぶやきなので、研究材料にする場合はちゃんと指導教官の方と話し合ってから、ですが(笑)

(※)翅室 昆虫の翅の表面にある網目状のすじの部分(翅脈)に囲まれた部分のこと
(※)グンバイムシが見つかったリター 20190606 50-30/90-10


スタッフS

2024年10月10日木曜日

知られざるリターフォールの博物誌(1) 青いミズアブの小楯板の棘の数

「棘」か「突起」か「剛毛」か…

それだけで検索結果は大きく変わり、入力ワードを選ぶことの重要性を実感しました。今回紹介するのは、体長10mmにも満たない小さな青いアブです。

6月のリター。

ウワミズザクラの種子や、アカマツ、サルナシ、コナラ、エゴノキの花々に埋もれて、キラリと光る青いもの。

つまみ上げてみると、光っていたのは昆虫の胸部で、腹部は光沢のあるダークブラウンといった感じの色合いです。


見る角度によって虹色の光沢がある透明な翅が残されています。体長は7mmほど。生きていた頃はきっときれいな虫だったのでしょう。

「青蜂(セイボウ)かもしれないな」

最初のうち、私はそう思いました。青く輝く寄生蜂を前から見てみたいと思っていたので、ワクワクしながら青蜂の種類を調べ始めました。けれど、これに一致する色合いの青蜂は見つかりません。
どうやら憧れの青蜂でないと悟り、少しがっかりしながらルーペで頭部を覗きました。見えたのは頭の面積の大半を占めるマイクのような暗赤色の眼。

「これは、ハチじゃない。双翅目の顔だ・・・」
種名を知りたければ、ハエやアブの仲間から探さねばなりません。
でも、手がかりは・・・?

退勤の打刻時刻が迫る中、ルーペを覗く私の目に映ったのは、この昆虫の胸部の後縁に見える6本の毛のようなもの。改めて顕微鏡で確かめると、かなり太くしっかりしており、規則正しく並んでいるそれらは特徴といってよさそうでした。

帰宅後、あの特徴を手がかりに検索してみることにしました。ハエなどはよく剛毛の生え方で分類されているイメージがあったので、「双翅目 胸部後縁 剛毛」というようなワードを入れて何回か画像検索してみたのですが、いっこうにそれらしきはヒットしません。

再度考えてみました。
毛、というものはそれが生えている箇所と、毛そのものでは当然質感が違います。けれど、顕微鏡で観察したとき、胸部後縁に並んでいたあれらは、胸部の一部がそのまま突き出したようで質感は同じでした。
つまり、「剛毛」という表現がまずかったのかもしれません。

そこで次は「突起」にしてみました。しかし、これもうまくいきません。
最後に「棘」と入れてみました。
すると、検索結果の画像の中に胸部後縁に2本の棘が生えた黒いアブの写真が出てきました。写真にはミズアブ科の昆虫と紹介されています。そして棘が生えている部分は小楯板という名前であることも分かりました。

「きっとミズアブ科の昆虫なんだ」

私は「ミズアブ科 小楯板 棘6本」と入れて再検索しました。
大成功!ようやくヒットしました。
そして分かったのは、リター内のこの虫がミズアブ科Beris属の昆虫であること。
近縁種に小楯板の棘が4本のものがいるそうですが、4本だとActina属、6本だとBeris属になるそうです。Actina属には、キアシホソルリミズアブやエゾホソルリミズアブが知られています。

しかし、Beris属に分類される種のほとんどには和名がありませんでした。
身近にも生息しているようですが、知る人ぞ知る種ということなのでしょうか。

ミズアブ科Beris属は訪花性昆虫ということで、6月の花々を巡っている途中だったのかもしれませんね。また、Beris属を調べていく中で、2019年より前のリターから時々見つかっていた、象の鼻を短くしたような吸いつき型の口器を持つ扁平な幼虫の正体が、どうやらミズアブ科の幼虫であることも分かりました。

*ミズアブ科Beris属が見つかったリター 20190606 30-50/70-30/70-70、20190620 30-50
まだまだ見つかるかもしれません♪


スタッフS

2024年10月3日木曜日

知られざるリターフォールの博物誌  始まりの話

 三瓶演習林では、広葉樹二次林内の1ha(100m×100m)のサイトに、縦横20m間隔で25個のリタートラップが設置されています。そこから定期的に回収されるリター(※)のデータをもとに、何年にも渡って森林動態の調査が行われています。

私の演習林での仕事のひとつは、持ち帰られ乾かされたリターを、決められた項目に沿って分類、量を計測することです。

「花」、「托葉」、「種子」、「広葉」、「針葉」、「木質」、そして「その他」。

リターは「花」の項目ひとつとっても、樹種ごとの形の違いや落下するまでの成長の差、原形の残存具合によって状態は様々…。人の目と手で分けることが必要な、細かく地道な作業です。

さて、これから私がお話ししようと思うのは、リターの中の名もなき小さなものたちの記録です。特に、「その他」に分類された誰にも見向きもされないものたち。

リターの中の植物や生き物の残骸は、色あせていたり、体の部位が失われていたり、粉々だったりするので、種の特定など細かいレベルの分類には向かないことが多いのは事実です。

けれど、中には状態がよいものもあって、そこには確かに三瓶の森の生き物を知る手がかりがあります。手がかりがあるのなら、可能な限り生かしたい!小さな発見でも積み重ねればおもしろい世界が見られるかもしれませんからね。

そのような訳で、森林の物質循環などの専門的な研究は、先生方に任せるとして、私は分類作業中に出会う個々の生き物たちにスポットライトを当て、知られざる彼らの姿を紹介していきたいと思います。


三瓶の森の神様へ

遅筆な私がどうかこの博物誌を少しでも長く続けられますように。

リターを通して、たくさんの生き物を知り、それを読んでくださる方へ伝えられますように。



(※)林冠から地表に降下する葉や枝などの枯死物を、リターまたはリターフォールと呼びます。

*図鑑や専門サイトなどで可能な限り調べてから、リターの中の植物や昆虫などを特定するようにしていますが、専門家ではないため、中には間違いがあるかもしれません。どうぞご了承ください。

*個々のリタートラップのサンプルは採集された年月日と地点の番号で表されています。2024年9月19日に採集した地点番号30-50のサンプルであれば、20240919 30-50と表記。紹介するのは、主に私が現在、分類している2019年のサンプルです。

2023年11月6日月曜日

秋の野花たち


アカタテハとヤマハッカ (スタッフS 画)

枕木山では、季節ごとに様々な野草を見ることができますが、秋は、春とは違った趣きで野花を楽しめる季節です。空気がひんやりと澄んでくるためか、野花にもしっとりとして凛とした印象を受けます。

目をひくのは、センニンソウ、オトコエシ、ヒヨドリバナ、キンミズヒキ、アキチョウジなど。もう10月も終わりになってしまいますが、9月から10月にかけて松江試験地周辺で見られたこれらの野花を紹介します。


センニンソウ

先ずはセンニンソウ。花期は9月頃です。これは幾本もの細長い蕊を持つ真っ白な花が美しい蔓性植物で、クレマチス(てっせん)の原種として知られています。満開の花がふんわりと辺りを覆っている様子は雪が積もったよう。合間に咲く真っ青なツユクサとのコントラストはとても爽やかです。
しかし、このセンニンソウ、茎や葉の汁に触れると炎症を起こすほどの毒性を持っているのだとか…。優美で清楚な見た目に反して恐ろしい。
名の由来は、花の後、種子から伸びた白い綿毛を仙人の白い髭になぞらえたことから来ているそうです。


オトコエシ(花)とアカスジツチバチ


オトコエシとクモガタヒョウモン(?)

次は、オトコエシ(男郎花)と、ヒヨドリバナ。これらの花は昆虫たちに人気です。しばらく見ていると何種類もの昆虫の訪れを観察することができます。アカスジツチバチ、ヒョウモンチョウの仲間、アカタテハ、南方へ渡り途中のアサギマダラなど…。どの昆虫たちも夢中になって蜜や花粉を食べて満足そうなご様子。


ヒヨドリバナ(花)とアカタテハ


オトコエシ(花)とアサギマダラ

きっとこれらの植物の花のつくりや香りには、昆虫を呼び寄せて受粉や送粉をしてもらいやすいような特徴があるのでしょう。
ちょっとだけ調べてみると、オトコエシや近縁のオミナエシには醬油や味噌などの発酵食品が腐ったような匂いがするとありました。一方でヒヨドリバナや近縁のフジバカマには甘い香りの成分が含まれているのだとか…。花の香りや成分と訪花昆虫に何か関係があるのか、詳しくは分かりませんが、虫に好かれるための理由がいろいろとありそうで興味深いです。


キンミズヒキ

そして、この時期になると毎回のように靴紐や衣類の裾にびっしりとひっつきむしのお土産をくれるのがキンミズヒキ。
データロガー周辺にたくさん生育していて、ひっつきむしを取るのは大変ですが、小さな黄金色の花の穂がかわいらしいバラ科植物です。花は10月上旬頃まで見られました。


アキチョウジ

最後に紹介するのは、群生して林道沿いを彩る薄紫色の花々。シソ科のアキチョウジです。
同じ頃に咲くよく似たシソ科の花にヤマハッカがありますが、花の大きさはアキチョウジの方が大きく、よく目立ちます。花は10月後半まで見ることができました。

季節は、いよいよ11月。晩秋の枯れ色の野山には鮮やかな黄色のツワブキが咲き始めました。ツワブキの花はよく目立つのか、冬が間近なこの時期でも昆虫たちがたくさん集まって来ます。次はツワブキの様子を覗いてみようかと考え中。
季節ごとに花々のリレーを楽しめる枕木山。これからも観察していきたいと思います。

10月おわりに スタッフS