2023年1月27日金曜日

もっと知りたい今年の主役

年が明けて早くも1月下旬。2023年の毎日も忙しく過ぎていきます。

表題の「主役」とは、今年の干支である卯(ウサギ)のこと。ニホンノウサギは演習林にも生息している動物です。警戒心が強いらしく、普段はなかなか姿を見られませんが、雪が降った後に残される特徴的な足跡からは、彼らが活発に暮らしていることが窺えます。


ノウサギの足跡 2020年12月21日 松江試験地で

“かわいくて弱い動物”のイメージが強いウサギちゃんですが、野生のウサギを一度目にすると、そういったイメージとはかけ離れていることに気づきます。


ノウサギの足跡 2020年12月21日 松江試験地で

私事ですが、昔、北海道でエゾユキウサギに出会ったとき、その脚がおそろしく長いのを見て、驚いたことがあります。そして体に不釣り合いなほど大きな後ろ足の強そうなこと!

なるほど、これならものすごく早くパワフルに走れるだろうなと納得しました。

後ろ足の指をいっぱいに広げて、丁寧に舐めてお手入れする様子からは、この足が、キツネやテン、そして猛禽の攻撃から生き抜くために、とても重要な武器であることが伝わってきます。
彼らはまさに“戦うウサギ”。攻撃力の強さではなく、用心深さと敏捷さを武器に持つ戦士だと思います。自然界での強さは、捕食者として強いということだけではないと実感させられたエゾユキウサギとの出会いでした。

これは、演習林に生息するニホンノウサギにも共通する強さではないでしょうか。演習林で働いていると彼らの生態を知るきっかけに巡りあうことがあるかもしれません。それがとても楽しみです。

下の写真は、スタッフOさんに見せていただいたノウサギです。昨年末、三瓶演習林に設置した自動撮影カメラに写っていたそうです。


三瓶演習林の自動撮影カメラに写っていたウサギ

雪の中を走っているようですが、毛の色は白くなっているのでしょうか。それとも夏とあまり変わっていないのでしょうか。三瓶ウサギの冬の姿、気になります。


スタッフO:その後に撮れた写真を見ますと、白黒で写っていますのではっきりとはわかりにくいのですが、どうも毛は白くなっていないようです。例えば、このように。
(かわいいウサギなんですが、植えた木をかじる困った動物でもあります)


スギ造林地で

あるいは、このように。図鑑など見てみましたら、白色になる個体と茶色のままの個体があり、積雪の多い地域では白色個体の割合が高まるといったことも書かれていました。 


三瓶演習林の落葉広葉樹二次林で

スタッフS