2011年7月25日月曜日

エゴノキとハクウンボクの花の違い

 ツイッター(@forest_sh_univ)でのある方とのやり取りから,エゴノキとハクウンボクの花の違いに注目してみました.
 いえ,まあ,どちらの花もとうに落ちていますので,「なんで今頃?」とお感じになるかもしれませんが…

 葉の形はだいぶ違うので見分けるのは容易なのですが,果たして花はどうでしょうか.

エゴノキ

ハクウンボク

よく似た白い花なのですが,まずぱっと見たところでは,花のつき方が違います.

 エゴノキの花もある程度かたまりになってついてはいるのですが…

エゴノキの花

 ハクウンボクでは,もっと明らかに房になって花がついています.

ハクウンボクの花

 続いて花柄(花をぶらさげている部分)を見ますと,エゴノキ(写真上)の花柄の方がハクウンボク(写真下)の花柄よりかなり長いです.

エゴノキの花柄

ハクウンボクの花柄

 花の中を覗いてみますと,雄しべなどはハクウンボクの方が長いですね.
 また,花粉がついている部分(黄色いところ)とその付け根の部分(白いところ)の比率は,エゴノキでは黄>白なのに対して,ハクウンボクは黄<白になっています.

 また,個々の花の全体としては,エゴノキよりハクウンボクの方が大きいと言いますか,深い(花弁が長い)です.

写真上がハクウンボク,下がエゴノキ

 よろしければ,また来年の5月頃,ご覧になってみてください.

2011年7月7日木曜日

iPad版Numbersのデータをパソコンに移す

 先日,iPad版Numbersでデータの並べ替えを行う方法をご紹介しましたが,今回はiPad内のNumbersのデータをパソコンに移す方法をご紹介します.

 この記事につきましても,こういったことにもっと詳しい方は多くいらっしゃることとは思いますが…

 さて,現場で以下のように胸高直径を測定した結果を入力して,持ち帰りました.iPad内に保存されているこのデータを,パソコンに移したいところです.

 そのためには,まずそのファイルをiPadで開き,画面右上にあるスパナのような絵をタップ(選択)します.
 そうしますと,このような画面になりますので,「ツール」の中から「共有とプリント」をタップします.

 今度はこのようなメニューが出て来ます.
 データの移し方にはいくつかの方法がありますが,今回はiPadとパソコンをつなぎ,iTunesを使ってデータを移す方法をご紹介します.
 この場合は,いくつかある選択肢の中から,「iTunesに送信」をタップします.

 そうしますと,どのような形式のデータを送るかを聞いてきます.
 多くの方は表計算ソフトとしてExcelをお使いかと思います.その場合は,右端の「Excel」の絵をタップします.

 すると,iPad内のデータのパソコンへの転送が始まります.

 パソコンでiTunesを見てみます.
 iTunesの画面左側の「デバイス」というところで,パソコンにつないでいるiPadをクリックし,画面右側上部の「App」をクリックします.
 さらに,その下の「ファイル共有」というところでNumbersをクリックしますと,その右側の「Numbersの書類」というところに,転送したファイルが表示されていることがわかります.

 このファイル(例では「森林調査2010.xls」)を適当なところにドラッグ&ドロップして保存します.そのファイルを開きますと,以下のように,Excelでデータを見ることができます.

 野外調査において記録を取るには,やはり「紙と鉛筆」が最も優れていると思います.濡れても壊れませんし,落としても壊れません.iPadにしてもノート・パソコンにしても,濡れたり落としたりすると壊れてしまい,中のデータが容易には取り出せなくなることもあるでしょう.
 ただ,現場で,例えばデータを並び替えたりといった操作をしないといけない場合は,iPadやノート・パソコンなどのデジタル機器は便利です.

2011年6月13日月曜日

iPad版Numbersで並べ替え(ソート)を行う

 島根大学演習林にはiPad(Wi-Fiモデル)があるのですが,せっかくあるなら,これを野外調査にも使えないかと思っています.
 例えば,毎木調査の時に,前回調査の結果を参照するとか,現場で胸高直径を入力して並べ替え,何本かを選んで樹高を測るとか.他にも使い道はあるでしょう.
 落としたら壊れるとか,雨に降られたら…とか,現場で入力した数値のバックアップは…とかいろいろ心配もありはしますけれども…

 さて,このiPadには,表計算アプリ「Numbers」を入れています.
 よく使うパソコンのExcelでは並べ替えの方法もわかりますが,このiPad版Numbersではデータの並べ替えをどうやって行うのでしょうか?

 「もう知ってるよ」という方も多くいらっしゃることと思いますが,自分のためのメモの意味もあり,以下にご紹介します.

 まず,例として,このようなシートを用意しました.毎木調査の野帳のつもりです.入っている数値は適当に作ったものです.

 この表の中のどこか(どこでもいいです)をタップすると,表の上と左に,グレーのバーが現れます.

 例えば,胸高直径(図中では「DBH」)を基準に並べ替えを行いたい場合は,「DBH(cm)」セルの真上あたりのグレーのバー上をタップします.

 そうしますと,「DBH」列全体が選択された状態になります.

 この状態の時に,同じあたり(グレーのバー上の青色になっている部分)をもう一度タップします.
 そうしますと,下図のようにいくつかの選択肢が出て来ますので,この中から「並べ替え」を選択(タップ)します.

 そうしますと,「昇順に並べ替える」「降順に並べ替える」という選択肢が出て来ますので,どちらかを選択(タップ)しますと,並べ替えが行われます.

 下図は,昇順に並べ替えた場合です.これで並べ替えは終了です.

2011年2月4日金曜日

山下多聞准教授,マレーシアで調査中

 生物資源教育研究センター森林科学部門(演習林)の山下多聞准教授は、半島部マレーシアのセマンコック森林保護区(Semangkok Forest Reserve)に森林調査に行っています。

 セマンコック森林保護区の中の、丘陵フタバガキ林と呼ばれるセラヤ(Shorea curtisii Dyer ex King)を中心とした天然林において、樹木細根の分布調査を行っています。

 いつもはもう少し南にあるパソ森林保護区の低地フタバガキ林で調査をしていますが、今回初めて丘陵フタバガキ林での調査を行うそうです。

 現地にいる山下多聞准教授からメールで調査の様子を送ってもらいましたので,ご紹介します.

*   *   *   *   *


 半島マレーシアのセマンコック森林保護区は標高400mほどに位置する丘陵フタバガキ林です。丘陵フタバガキ林は階層構造をしています。

 樹高30m程度の高木層はShorea curtisiiが優占します。

 セマンコック森林保護区の中に、6ヘクタール(200m×300m)の調査区画を、およそ20年前に設置しました。
 今回はこの森林の細根量の調査をしています。狭い尾根と狭い谷からなる調査区画の中の尾根部、中腹部、谷部に深さ1mの土壌断面を作成し、細根の垂直分布の立地による変異を調べています。