2015年4月3日金曜日

椿について、年配の方に聞きました(前編)

先日、松江市役所近くの末次公園に行きましたところ、椿が咲いていました。



ヤブツバキは島根大学の演習林でもよく見られます。葉はこんな感じ。三瓶演習林で撮った写真です。


椿は松江市の「市の花」になっています。


松江城には椿が植えられ、かつては刀の錆止めに使われていたとも聞きます。
(ダッチオーブンの錆止めにオリーブオイルを塗るのを連想しました。)

出雲とも関わりがあるようで、東京は銀座の花椿通りには、出雲市から贈られた椿が植えられているそうです。

■銀座花椿通り http://ginza-hanatsubaki.jp/


そんな椿について、松江市在住の90歳代前半の方から、かつての椿利用についてのお話を聞きましたので、ご紹介します。
(ここまで「ヤブツバキ」と書いたり「椿」と書いたりして来ましたが、以下では「椿」にします。種名としてはヤブツバキですが。)

椿油と言いますと、伊豆大島か五島列島かという印象がありますが、かつては松江でも使われていたそうです。
椿の実を初秋から実が落ち終わるまでの間に採り、自宅で煮て油を採るか、搾油所に持って行って油を絞ってもらうかしたそうです。

椿の実の写真はこちらをどうぞ。

■ヤブツバキの果実と種子 植物生態研究室(波田研) 岡山理科大学 http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/choripetalae/theaceae/yabutsubaki/yabutsubaki4.htm


[煮て油を採る]
煮て油を採る場合は、およそ以下のようにしたそうです。

焙烙(ほうろく)鍋で椿の実に熱を加えて、実を砕く。
   ↓
大鍋に湯を沸騰させて、砕いた実を入れ、タケを薪として燃やし、熱する。
*孟宗竹(モウソウチク)を乾燥させた薪でないと火力が弱く、駄目になる。
*火の加減があり、出入りの老女が秋毎に来て煮てくれた。
   ↓
上に浮いた油を別の容器に取り、水と油に分離させる。

一斗(約18L)入りの竹籠2杯くらいの実で、一升瓶(約1.8L)2本くらいの油が採れたように記憶しているとのことでした。


今回はここまで。次回は、[搾油所に持って行って油を絞ってもらう]その他についてご紹介します。

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