2013年10月7日月曜日

イノシシを撮影

三瓶演習林獅子谷団地の広葉樹二次林にイノシシのヌタ場(ダニ等を落とすために泥浴びをするところ)がありましたので、近くに自動撮影カメラを設置して、撮影してみました。

こちらがヌタ場。1m四方ほどの穴が掘られ、泥がたまっています。


体にしっかり泥を付けて歩いたり、体を(犬がするように)ブルブルッと振るわせたりするので、あたりの草は泥だらけ。(写真がボケていて、すみません。)
ダニのこともあり、あまり近づきたいところではありません。

さて、肝心の動画です。
撮影には、Acorn 5210Bという自動撮影カメラを用いました。
ずっと待機しているのですが、動物が通ると、センサーが動物の体から出る赤外線に反応し、自動的に撮影を始めます。

9月26日にカメラを設置しました。しばらくは何も写っていない動画ばかりで、夜の森は映画「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」を思わせる不気味さだったのですが、日付が変わってすぐ、ヌタ場に入って、体を擦り付けているイノシシが撮れました。

同じ日の午後5時半頃、まだ明るいのですが、イノシシがやって来て、やはり泥浴びをしています。

やはり同じ日の午後8時過ぎには、イノシシの親子がやって来ました。
途中で親が何かに気づいて、逃げて行ってしまいます。

今回撮影できた動画の一部をご紹介しました。
また、今度は1回あたりの撮影時間をもう少し長くして撮影してみます。

2013年6月19日水曜日

かしわ餅 今頃、ですが…

季節外れの話題で恐縮ですが…

以前に、Twitter(@forest_sh_univ)で、「みなさんのお住まいのところでは、かしわ餅はカシワの葉で包まれていますか?それとも、サルトリイバラの葉でしょうか?」と尋ねてみました。

カシワの葉はこんな葉です。
 
岡山理科大学 植物生態研究室(波田研) カシワ  http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/choripetalae/fagaceae/kasiwa/kashiwa.htm

サルトリイバラのはこんな葉です。


そうしましたところ、東日本にお住まいと思われる方々の反応は、(オーバーに言えば、ですが)、「ププッ、何言ってるの?、柏餅って言うんだからカシワでしょ」という感じでした。
(みなさま、反応していただき、ありがとうございました。)

一方、西日本に住む知人に聞いてみましたところ、ほとんどの方はサルトリイバラとお答えでした。

カシワは西日本にも生えますし、逆にサルトリイバラは東日本にも生えますし、必ずしも両種の分布域のために、東日本=カシワ、西日本=サルトリイバラとなっているわけではなさそうです。

サルトリイバラの葉の方がカシワの葉よりは入手しやすいようにも思いますが…
もっとも、サルトリイバラにしてもカシワにしても、家で使うなら自分で採りに行きますが、和菓子屋さんなどではどこかの問屋さんから仕入れているんでしょうね。

島根では、サルトリイバラの葉を巻いた柏餅を、柏餅とは言わずに、カタラ餅といって売っているところもあるようです。カタラとは、サルトリイバラの地方名です。

出雲のとあるお店では、カシワのかしわ餅とサルトリイバラのかしわ餅の両方を売っていました。右がカシワ、左がサルトリイバラです。
(自分で撮ったとはいえ写真を使ったので、このお店を紹介するページへリンクしておきました。)


葉を開くとこんな感じ。このお店では、葉によって中の餅を変えてるんですね。
このサルトリイバラの葉は大きいですね。


Twitterでは、かしわ餅の葉の香りについてご質問がありました。香りがよいからサルトリイバラを使うのですか、と。
そこで、中の餅をよけておいて、葉だけを嗅いでみました。が、カシワとサルトリイバラに違いはないように思えました。
私が「違いのわからない男」なだけかもしれませんが…
(「違いのわからない男」とか言っても、某コーヒーのCMを知らない若い人には「?」ですよね…)

ちなみに、柏餅の「柏」については、こんな話も。
旺文社の漢字典で調べますと、「柏」とは本来はコノテガシワのことだそうです。国語ではカシワのことでいいそうですが。
じゃあカシワは何なんだと言いますと、「槲(コク)」あるいはその俗字「檞(カイ)」だそうです。
まあ、もちろん「柏」を使えばいいんですけどね。大辞林では最初に「柏」の字が出ています。

もうさすがに柏餅は店に置いていないでしょうね。よかったら、来年、また見てみてください。

2013年5月17日金曜日

昔の三瓶演習林事務所構内の写真

今年は三瓶山が大山隠岐国立公園の一部として国立公園に指定されてから50周年ということで、様々な“三瓶山”国立公園指定50周年記念事業が行われています。
三瓶山は、1963年(昭和38年)4月10日に、国立公園に指定されたそうです。

その一環として、「なつかしの三瓶山写真・絵画展」が、大田市民会館で開かれています。と言いましても、明日5月18日までなのですが…(もう少し早くご紹介できればよかったのですが…すみません)

そこで、ここでも、昔の三瓶演習林事務所の写真を何点かご紹介します。

まずは現在の姿。

こちらは1999年頃に撮影された写真です。
事務所の前(写真では右手)に大きな木が立っています。こちらにご注目いただければと思います。

ちょっと角度を変えて見てみましょう。こちらは2011年に撮影した写真です。
大きな木が4本立っていますが、右の2本はヒマラヤスギ、左の2本はモミです。

さて、少し時間をさかのぼって、こちらは1973年の写真です。建物の向こう側にそれらの木々が見えています。

さらにさかのぼって、こちらは1964年の写真です。
4本の木は、後の写真に比べると、まだだいぶ小さいですね。
これらの木々は、地元の70歳代の方が子どもの頃には既にそれなりの大きさだったそうですから、ここに大学の施設ができる前からこのあたりを見て来た長老のようなものですね。